母校の改編について






東京都立小金井工業高等学校同窓会 会長 吉田 研二


東京都の都立高校改革・新配置計画が、昨年10月24日開催された都議会において決定され、我ら母校である小金井工業高等学校にも大幅な改編の流れが決定されました。その内容について、判明した範囲において以下の通り報告致します。


1.配置計画 1.1 内容:小金井工業高等学校全日制課程を改編し、全日制工業高等学校(科学技術高等学校)を設置する。


1.2 改編後の学校の概要 (1)課程:全日制課程 (2)設置学科:工業科(科学技術科) (3)学級数:18学級相当/3年 (4)開校予定年度:平成22年4月 (5)設置場所:小金井工業高等学校の敷地


2.経緯  東京都は、生徒の多様化と少子化に伴う生徒数の減少に対応し、都民にとって魅力ある学校作りを進めるため、長期計画である都立高校改革推進計画と第一次(平成9年)・二次(平成11年)の実施計画を定めた。更に、その後の経済・社会のグローバル化、情報技術革命等の進展、更には学区制の撤廃、東京都教育委員会の教育目標の改定、中高一貫教育校への期待の高まり等、教育を取り巻く環境変化を踏まえ、東京都は都立高校改革・新配置計画を明らかにし、上記のように10月24日の都議会にて決定した。


3.新たに導入される学校のタイプ (1)中高一貫教育校:例えば三鷹地区の三鷹高校、武蔵野地区の武蔵高校、立川地区の北多摩高校、八王子地区の南多摩高校などが対象となっている。また、都立九段高校は区に委譲され、10月23日付朝日新聞によれば、「九段」の名称を引き継ぐことや、文武両道の伝統や「校歌」、「校章」、「校旗」についても一定の継続性を保つことなどを条件に、都教委と区教委が合意したと報じている。


(2)昼夜間定時制高校(チャレンジスクール):近隣の夜間定時制高校を統合して、三部性の昼夜間校を設置する。例えば八王子地区では、第二商業高校(定)、南多摩高校(定)、富士森高校(定)、八王子工業高校(定)を統合する。


(3)産業高校:商品の生産から流通に至る過程を総合的に学習する新しいタイプの専門高校であり、商業と工業の合併となる。例えば八王子地区産業高校として、第二商業高校(全)と八王子工業高校(全)が合併する。


(4)総合芸術高校:芸術文化の様々な分野を支える人材を育成する。


(5)エンカレッジスクール:?


4.小金井の場合  工業高校に関しては、既述したいくつかのタイプの内の産業高校として、商業高校と合併するか、従来通りの工業高校としての専門性を活かすことが提案されている。  しかしながら、小金井の場合には、前学校長である高間伸一先生あるいは現学校長の和泉勲先生のお考えにより、他の工業高校とは異なる方法を打ち出し、都教育庁へもアピールを続けてきた。ポイントは以下の2点である。  ①進学を重点にした高校であること  ②科学技術をカバーすること  過去の実績からしても、小金井工業高校は他の工業高校と比較して、著しく進学率が高く、進学タイプであると認識されている。


5.科学技術高校  あまり馴染みの無い高校名であるが、実は平成13年から既に江東地区工業高校として都立科学技術高校が開校している。従って、小金井は科学技術高校としては2番目となり、東京都はそれ以外の科学技術高校を現在のところ念頭に置いていない。  両者の相違として方向性の違いが挙げられる。すなわち、江東地区の都立科学技術高校は、どちらかと言えば普通科を目指しているのに対し、小金井工業高校の目指す科学技術高校は、あくまで科学技術科のみのスペシャリストを目指す点で異なる。


6.今後の日程  新配置計画の決定に伴い、基本計画が定められる。このために基本計画検討委員会が招集されるが、詳細な日程は不明である。一応の予測としては、平成15年度に委員会が発足し、平成16年度に基本計画が完成する運びとなる。  従って、この委員会に対して必要な助言、意見を述べることが可能と思える。


7.問題点 ①名称問題  今回の改編は従来の東京都立小金井工業高等学校を閉じて、新たに科学技術高校をスタートさせるものであり、新名称がどのようになるか全く未定である。「小金井」が含まれるか否かも未定であり、これに対する意見は個々人各々であろうと思われ、それぞれの立場で委員会へ具申し、あるいはパブリックコメントに投稿することとなろう。


②科学技術教育と進学との両立  この点が最も問題となり、単純に考えれば、進学に関して普通科にハンディを付けられることは明確であり、何らかの優遇策を求められることとなろう。例えば推薦枠の拡大等が考えられるが、収容人員との関係で、どの程度大学と連繋が取れるかが問題である。  いずれにしても、実績によってこのような推薦枠等が定まるが、如何にして良い実績を残すかが大問題となる。  例えば、両者を両立させるために、以下の方策が考えられる。  イ.工業科目から実習を減らし、理数系科目を入れる。  ロ.進学組と就職組とに分け、進学組の授業内容を普通科と対抗できるものにする。   ③同窓会としての対処  個別の事項、例えば学校名等に関しては意見が分かれると思うが、いずれにしても過去の歴史から見て、例え新科学技術高校が従来の都立小金井工業高等学校とは切り離されたものであったとしても、同じ敷地で巣立つ後輩は同じ仲間として同窓会に迎え入れたいと思う。





都立小金井工業高校伊東宏晃さん第十一回アジアトライアスロン選手権大会で銅メダル獲得!


九月八日、中国徐州で行われた第十一回ァジァトライァスロン選手権大会で、都立小金井工業高校二年生の伊東宏晃さんが、ジュニアの郎(十九歳以下)に出場し、見事三位の栄冠に輝いた。高校入学当時より本格的にトライァスロンの練習に取り組み、本年八月四日に行われた日本ジr一ァトライァスロン選手権大会五位となり、代表の座をつかんだ。大会当日は二十万人以上の沿道の声援を受け、優勝選手に、わずかニメtトルの差で堂々三位となった。 二〇〇〇年シドニーオリンピックから・正式種目となったトライァスロンのァジーァ選手権は、毎年開催されているが、伊東さんは、ジュニアの部における日本選手最年少での出場であった。中国、香港、カザフスタンなどの選手に混じり、積極的に先頭集団に位置し、スイム七五〇メートル、バイクニ○キロメートルを終え、九名の集団でラン五キロメートルに移った。ゴールー○○メートル手前からのスプリント勝負となり、あと一歩のところで惜しくも優勝は逃がした。 「初めての海外旅行が日本代表選手としてのアジア選手権の出場であり、慣れない環境の下でしたが、日頃、指導して下さっている本校の会津先生が、’日本チームのコーチとして同行していた幸運も重なり、100パーセントの力が発揮できたのでばないがと思います。今後は、アジアから世界に目を向け、常に初心を忘れずに日々努力していきたいと思いまず」と力強く語る伊東さん。また一人頼もしい都立高校生が誕生した。


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Takashi Ohki
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